コロナ禍での髪ハラスメント

毛髪の状態は男性の大きな関心事であり、その状態によっては大きな悩みにもなっています。中でも男性を悩ませているのは薄毛に対するハラスメントで、周囲からの目を本人が気にしているだけでなく、それなりのイジリをされて、それが悩みを増す要因ともなっています。毛髪の状態は精神的なストレスが影響していると言われます。ストレスを高める周囲の反応は、ますます毛髪の状態に影響を与えるものだけに、どう対応したものか、心構えをしておくことは大切です。

薄毛を誰に指摘されたら傷つく？

実施された調査は、「薄毛の方が言われて嫌だったことに関する髪ハラスメント調査２０２１」といい、調査名を見るだけで、目的がよくわかります。調査はインターネットを通じて実施され、調査対象は薄毛に悩んでいる２０〜６０代の会社員男性１０００人でした。
初めの質問は「あなたは薄毛について誰かに指摘されて嫌な気持ちになったことがありますか？」で、それについての回答は「はい」は７０.５％、「いいえ」は２９.５％でした。前問で「薄毛を指摘されて嫌な気持ちになったことがある」と回答した人（７０５人）に、誰に指摘をされたのかを聞いています。同じことを言われたとしても、相手によってはあまり気にならないことがあれば、逆に深く傷つくこともあるので、そこのところは知っておきたいことです。
その指摘した相手としては、「職場の同僚」が４６.０１％と最も多く、次いで「恋人・配偶者」が３７.７４％、「友人」が２８.７９％となっていました。職場の同僚といっても、さまざまな立場の人がいるので、その内訳について聞いてみたところ、「上司・先輩」が３９.１５％、「同期」が２５.３９％、「部下・後輩」が１５.１８％、「親・兄弟」が１６.７４％、「子供」が１５.８９％、「赤の他人」が７.３８％、「取引先」が６.３８％という結果でした。
一般的は指摘するのは立場が上の上司や先輩といった年上の人、同期や同年齢の人というのが多くなっていますが、部下や後輩という年下の人からの指摘があるということです。特に傷つきやすい相手からの指摘が案外と多いというのが、髪ハラスメントの特徴といえそうです。

指摘には“顔で笑って心で泣いて”

薄毛を指摘されたときに気にせずに受け流せるのか、それとも強く受け止めてしまうのかというのは指摘した相手によっても違ってくるのですが、次の質問は「薄毛を指摘されたときのあなたの対応として近いものはどれですか？」というものです。
それに対して、最も多いのは「笑ってごまかした」の６４.５４％でしたが、それに次ぐのは「無視した」が２０.２８％、「悩みについて相談した」が９.０８％、「怒った」が５.５３％でした。
相手の指摘に対する反応と、実際の心の中は違っているのは普通にあることで、“顔で笑って心で泣いて”というのは、「笑ってごまかした」という人が多いことから、実際の心理状態はどうだったのか気になるところです。
そこで次の質問として、「薄毛を指摘されたとき、本音ではどう思っていたのか？」と聞いています。「恥ずかしかった」が３４.０４％、「情けなくなった」が２８.５１％、「怒りを感じた」が２６.８１％と大きな差はなく、最後は「泣きたくなった」が４.９６％でした。トップ３は、恥ずかしかった、情けなくなった、怒りを感じたと“心で泣いて”という人を合わせて９２.３６％と圧倒的に多くなっています。指摘するほうは軽い気持ちで言っているのかもしれませんが、指摘されたほうがどれくらい傷ついているのかというのは、なかなかわかってもらえないということです。