コロナ禍で白髪が増えた

新型コロナウイルスの感染拡大で毛髪について話題にのぼったことというと、感染者の抜け毛についてでした。ウイルス感染のほうは治療によって身体的には回復したものの、抜け毛が増えて、しかも生えにくくなったということで、特に抜け毛が継続する重症化は避けないということは毛髪の状態に限らず強く意識されたことです。

見た目への意識とヘアケア調査

毛髪の悩みでは白髪も上位にあげられるものの、薄毛の悩みに比べたら大したことはないと思われがちです。しかし、例えば自毛植毛で移植する部分も毛髪の色が、頭頂部などの色と大きく違っていたら、それなりの対応をしなければならなくなります。全体が同じように白髪になっていくのか、それとも部位によって異なるのかというのは気になるところです。


コロナ禍で白髪が増えたということは以前から聞こえてきていましたが、これを全国調査によって明らかにしたのはアデランスが初めてです。この調査は、新型コロナウイルス感染拡大に伴う生活環境の変化による見た目への意識やヘアケアに関するアンケートとして20〜60代の全国47都道府県の各104人(男女とも52人ずつ)、合計4888人を対象にインターネット調査で実施されました。
「2020年を経て、見た目のケアに変化がありましたか?」との質問に対して、見た目のケアについて何らかの変化があったと回答しているのは、男性では25.1%、女性では47.3%でした。残りは変化がなかったとの回答です(男性が74.9%、女性が52.7%)。
変化を感じている女性を対象に、どのような変化なのを聞いていますが、「見た目のケアに力を入れるようになった」が11.1%、「見た目のケアにやや力を入れるようになった」が22.9%であるのに対して、「見た目のケアにやや手を抜くようになった」が40.3%、「見た目のケアに手を抜くようになった」が25.7%と、66.0%が手を抜いている結果となっています。
手を抜くようになると美容院に行く回数も減りがちになるところですが、変化があったと回答している女性のうち、「美容院に行く頻度」が増えたのは2.5%、減ったのは49.5%、変わらないのは47.9%でした。案外と変化がなかったようです。
「ヘアセットにかける時間」は増えたが5.7%、減ったが26.4%、変わらないが67.9%、「ヘアケアにかける時間」は増えたが8.4%、減ったが26.2%、変わらないが65.4%、「美容機器を使う時間」は増えたが4.0%、減ったが16.9%、変わらないが79.1%でした。これらのすべては、コロナ禍で外出する時間が減ったことが影響しています。

白髪の増加を実感している

次は男女ともに聞いていることですが、「コロナの感染が拡大する前と比べて、髪に関して何か変化はありましたか?」との質問に対しては、「抜け毛」は増えたが16.6%、減ったが3.0%、変わらないが80.4%でした。ところが、「白髪」は増えたが39.0%、減ったが1.5%、変わらないが59.5%と白毛が増えたことを感じている人が多いことがわかります。
自宅にいる時間が長くなって、鏡を見る機会が増えたこと、オンライン会議などで画面に映る自分の毛髪が気になるということもあるのでしょうが、白髪はストレスを示す指標とされるくらいで、コロナ禍はストレスそのものだけに、実際に増えているということがいえそうです。
マスクを着けていると、どうしても目線が目から上に行きがちで、それが白髪を気にする傾向を強くしがちです。そんなことから、「コロナの流行後、マスクをする機会やオンライン会議も増えましたが、コロナの流行前と比べて、他人の顔について目がいくようになった部分はありますか?」との質問もしています。その結果(複数回答)、「目元」は男性が55.6%、女性が68.2%とともに最も多く、次いで「髪」は男性が27.0%、女性が30.5%、「口元」は男性が11.1%、女性が5.8%、「肌」は男性が8.4%、女性が11.5%でした。
「これまでより力を入れたいヘアケアは何ですか?」との質問をしていますが、その結果(複数回答)、男性では「頭皮マッサージ」が31.4%、「スカルプシャンプー・トリートメント」が30.9%、「白髪のケア」が26.2%、「養毛剤・発毛剤」が21.4%、「ヘアセット」が9.6%、「洗い流さないトリートメントやオイル」が4.5%、「ヘアカラートリートメント」が3.8%でした。
これに対して女性では「白髪のケア」が40.4%、「洗い流さないトリートメントやオイル」が34.7%、「頭皮マッサージ」が29.3%、「スカルプシャンプー・トリートメント」が18.4%、「ヘアカラートリートメント」が18.0%、「ヘアセット」が16.5%、「養毛剤・発毛剤」が8.1%でした。
男性では白髪のケアは、頭皮マッサージ、スカルプシャンプー・トリートメントに次ぐ3位となっていますが、男性は白髪も気になるものの、薄毛のほうがもっと気になっているということで、こういったケアに続いて、根本的な対策としての自毛植毛への関心と期待が高まっていくものとみられています。

コロナ禍における見た目への意識やヘアケア調査
https://www.aderans.co.jp/newsrelease/detail/20210323171218.html

 

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