毛髪の健康のための入浴法

寒い季節には入浴で体を温めるのは、体の健康だけでなく、精神的なリラックスにも寝つきにも、そして毛髪のためにも、とてもよいことです。毛髪の育成成分は血流によって運ばれるので、体が温まり、血流がよくなることは間接的で、長い期間がかかることではあっても、間違いなく育毛にはよい結果をもたらします。

自毛植毛手術から特に意識するのが、こういった日々の育毛活動が結局大切だろうということです。そこで今回は、入浴の毛髪への影響のメカニズムとおススメの入浴法を紹介します。

 

ぬるめの温度の長湯が毛髪にはよい

寒い季節には入浴で体を温めるのは、体の健康だけでなく、精神的なリラックスにも寝つきにも、そして毛髪のためにも、とてもよいことです。毛髪の育成成分は血流によって運ばれるので、体が温まり、血流がよくなることは間接的で、長い期間がかかることではあっても、間違いなく育毛にはよい結果をもたらします。

ストレスは血管を萎縮させて、血流を低下させるので、入浴によってストレスを解消することは、血流を安定させて、全身の細胞とともに毛母細胞にも必要な栄養と酸素を運ぶ結果となります。また、ストレスが軽減することによって熟睡と充分な睡眠時間が得られることは毛髪の健康にもよい結果となります。

寒い時期には、ついつい熱めのお湯を求めてしまうところですが、入浴の温度を高くすれば、それで血流がよくなって体が温まるわけではありません。入浴の温度が高くなりすぎると、かえって体が温まりにくくなります。というのは、人間の体には恒常性を保つ機能があって、体内の温度が高まりすぎないようにするために、皮膚から入ってくる温度が高くなると、それを妨げるように皮膚が引き締まり、熱が入りにくいようにする仕組みがあるからです。

入浴によって血流がよくなり、体が温まり、リラックスできるのは、自律神経の副交感神経の働きが盛んになっているからです。自律神経には交感神経と副交感神経があり、交感神経には機能を向上させる働きがあり、副交感神経には機能を低下させる働きがあります。自動車にたとえると、交感神経はアクセルに、副交感神経はブレーキに当たります。

自律神経は、自ら律するという言葉が示すように、自分の意思ではコントロールすることができません。ところが、温度を調整することによって交感神経と副交感神経を切り替えることは可能で、入浴温度の場合には38℃以下では副交感神経の働きが盛んになり、42℃以上では交感神経の働きが盛んになります。

38℃以下といっても、低ければよいということではなくて、36℃以下で寒さを感じるようだと緊張感が高まって、交感神経の働きが盛んになってしまいます。38℃以下というと、少し低めの温度に感じるかもしれません。特に冬場には長く入っていられないということもあります。そのようなときには、少しだけ高めて40℃にします。38℃ほどではないものの、交感神経の働きを抑えて、血流を盛んにすることができます。

副交感神経の働きが盛んな状態を10分以上継続させることで、充分なリラックス効果を得て、頭皮につながる毛細血管をゆるめて、毛母細胞まで充分な栄養と酸素を送り届けることができるようになります。

低めの温度でも血流を盛んにするために使われるのが炭酸ガスの入浴剤です。この炭酸ガスは入浴中に皮膚から浸透して血液中に入ります。炭酸ガスは二酸化炭素と同じものですが、二酸化炭素は全身の細胞の中で発生して、不要なものとして早く排泄されるように血流を盛んにする役割があります。炭酸ガスの入浴剤は泡が出ているときだけでなく、泡が出なくなってからも炭酸ガスは皮膚から浸透し続けます。だから、長く入浴することによって、だんだんと体が温まり、副交感神経に支配された状態で、毛髪を育成させていけるというわけです。

 

体が冷えるのは半身浴ではない

毛髪の生育には頭皮につながる毛細血管を通じて栄養素と酸素を補給するだけではなく、毛母細胞と、その周囲の細胞を温め続けることが大切になります。ぬるめの温度での入浴であっても、副交感神経の働きが盛んになっている間は、温かな血液が送り続けられて、放熱よりも補われる温度が多ければ、細胞の中で行われる代謝が盛んになり、細胞の活動は高まり続けます。

細胞の代謝は、ブドウ糖と脂肪酸を細胞の中に取り込み、細胞の中のミトコンドリアでエネルギーを作り出すことを指しています。このエネルギーを使うことで細胞の働きが高まり、毛母細胞であれば効果的に再生が進んでいきます。細胞の中で作り出されたエネルギーは、その細胞の中でしか使われません。ということは、毛母細胞などの頭皮の細胞が温められないと、再生が充分に行われないことになります。

体を温め続けるための入浴法として、ぬるめの温度の入浴のほかにすすめられるのが半身浴です。半身浴というとヘソから下をお湯の中につけて入る入浴法ですが、初めに全身浴をして体を充分に温めておきます。充分に温まって、血流が盛んになったところで半身浴に移ります。ずっと半身浴をしていたら、お湯の温度が下がってきて、体が冷えるようになってきます。体が冷えてしまったら、血流が低下する一方となるので、再び全身浴をして温めるか、熱めのシャワーを浴びて体温を高めるようにします。

半身浴は高めの温度で入浴してから始めて、体温をキープすると、発汗を盛んにして、入浴によるダイエット効果を高めることができます。体が冷えてしまったら、これらの効果が得られなくなるだけでなく、半身浴でもなくなってしまうので、体温を下げないようにすることが大切です。

自毛植毛をした人には関係ないように感じるかもしれませんが、植毛したのは、あくまで自分の毛髪です。より抜けにくく、丈夫な毛髪を保つためには、どんな状態の人にとっても入浴の効果は大切なことなのです。

参考)
お風呂の効用
https://www.med.or.jp/forest/health/live/04.html

 

#

次の記事

喫煙と薄毛